こんにちは。
「第26回 (2019年)いたばし国際絵本翻訳大賞」の課題を提出しました。
去年かけこみ提出した反省をいかせず、今年も締め切り直前に投函しました。
たっぷり時間はあったはずなのに、9月、10月は他の用事を優先してしまい、まともに取り組み始めたのが11月。
それでもこの1ヶ月間、翻訳のおもしろさと難しさを感じて過ごしました。
「第26回いたばし国際絵本翻訳大賞」の課題の取り組みから提出まで、感じたことを書こうと思います。
Contents
今年の課題本は「That's What Friends Are For」
2019年(第26回)いたばし国際絵本翻訳大賞(英語部門)の課題本は
「That's What Friends Are For」
でした。
課題本の英語は難しくありません。
文法を間違ったり意味を取りちがえることは、あまりなさそうです。
そのため、英語力より日本語力で差がでると思いました。
実際に翻訳してみると、英語の意味がわかっても、しっくりくる言葉や文章が見つからなくて苦労したページがたくさんありました。
私の課題の取りくみ方
付箋を使って翻訳
「いたばし国際絵本翻訳大賞」の挑戦は、今回で2回目です。
去年は翻訳するとそのままワードに打ち込んでいましたが、そうするとあとからチェックする時に「絵本の原文」と「翻訳文」を見比べるのが面倒でした。
今年は「英語だけにとらわれず、絵と文章があっているか」を重視したかったので、ページごとに付箋を貼って翻訳してみました。
なんども訳を書き直したので、さいごには同じページに何枚も付箋が重なって貼られている状態になりましたが、
「やっぱり最初の翻訳がいい」
とか、
「だんだん文章が自然になってきている」
というのが付箋をめくると簡単にわかるので、意外といい方法でした。
絵と翻訳文の比較もしやすかったので、来年もこの方法で翻訳すると思います。
家族に日本語をチェックしてもらう
夫と息子に訳した文を読んでもらい、わかりにくい点や言葉の選び方について、意見をもらいました。
これは役に立ちました。
とくに子供は辛辣で
「それ、意味わかんない。」
とか
「うーん、なんかイマイチ」
などとはっきり言います。
子供目線の率直な意見は貴重かもしれません。
エクセルで原稿作成
提出する原稿は、訳を書いた付箋を見ながらエクセルに入力して作成しました。
去年はワードを使ったのですが、
今年は翻訳の左側列にページ番号を入れる規定になっていて、ワードで入力しようとしたら、うまくできませんでした。
エクセルにしたら入力しやすかったです。
郵送にはレターパックライトを使用
応募には「レターパックライト」を使いました。
レターパックライトは番号追跡ができるので、届いたことが確認できます。
郵送方法の指定はないので普通郵便でもいいようですが、
「送料不足により作品到着が締切日に間に合わないケースが見受けられるので、ご注意ください」
と応募要項に書いてありました。
期限ギリギリに普通郵便で提出して、送料不足で差出人に戻ると締め切りに間に合わなさそう。
せっかくがんばった応募が受理されなかったら、ショックですね・・・
翻訳で難しかったこと・悩んだこと
今回の課題本「That’s what frineds are for」を訳して、難しかったこと、迷ったこと、さいごまで納得いく訳が出せなかった部分など、たくさんありました。
そのうちのいくつかを挙げてみたいと思います。
タイトル
タイトルの「That's What Friends Are For」。
これ、本当に悩みました。
絵本の最後も、この文章で締められています。
けっきょく考えていくうちに何がいいのかわからなくなってしまって、いくつか考えたなかから、小学生の息子に選ばせました。
子供が選んだタイトルはこれです:
「だって ともだち だもん」
でも正直なところ、ちょっと納得がいっていません。
みなさん、どんなタイトルにしたんでしょうか・・・。
best friend Pig (p.1)
best friend Pigは、そのまま訳したら「親友のブタくん」ですが、小さい子供は「親友」という言葉は使わない気がしたので、「いちばんの ともだちの ブタくん」にしました。
でも「いちばんの ともだちの」
と「の」が続いてしまったのが気になっています。
「いちばん なかよしの ブタくん」
も迷いましたが、「なかよし」という言葉が、他の部分の訳語と比べて幼い感じがしたので、さいごまで悩んでやめました。
ついでに登場人物の「Goat」と「Pig」。
これはもう「ヤギくん」と「ブタくん」しか思いつかなくて。
でも、ちょっとつまらなかったかなぁ。
Pig had invited him to dinner (p.1)
”Pig had invited him to dinner”
はそのまま訳せば「ブタくんが彼を夕食に招待した」ですが、
「招待」って言葉、子供は使わないと思います。
「招待」の代わりに、子供がわかりやすいように「およばれ」と訳したら、子供から「あかちゃん言葉みたいでおかしい」と言われました。
たしかにね、、、。
ブタくんもヤギくんも、ネクタイしてるし、夕食に招待したりされたりだから、大人という設定。
大人同士で「およばれ」は、少し違和感があるかもしれません。
そこで「さそわれています」という言葉を使いましたが、どうなんでしょうか。
Goat was thinking. (p7, p.9, p.11)
7ページから9ページまでヤギくんの想像の場面が続きます。
ブタくんが泣いている理由はなんだろうとあれこれ考えるのですが、原文をみると
"Goat was thinking."
となっています。
この文、さいしょは素直に訳していたんですが、日本語にするとなんだかクドイし、この文章だけ浮いてしまいます。
そこで、"Goat was thinking"は文としては訳さないことにしました。
そのかわり、その前の文章で、ヤギくんが想像していることがわかるように、文末を「・・・・なのかなぁ」のように訳しました。
このページに限らず、原文にどのくらい忠実に訳さないといけないのかがわからなくて、困りました。
原文をそのまま日本語に訳すと長すぎたり、わかりにくかったり。
だからといって、意味は同じでもあまり原文から遠くなると、翻訳としていいのでしょうか。
はっきりした正解はないんでしょうが、全体をとおしてこのあたりの加減がわかりませんでした。
"Sure," (p.28)
“Sure”は、ブタくんに「たまねぎ切って」と言われて、ヤギくんがいうセリフです。
これもさんざん迷って
「もちろんだよ」
にしました。
このセリフの次に、タイトルにもなっている
"That’s What Friends are for"
が来るので、強めの肯定の言葉が必要と考えて「もちろんだよ」にしたのですが、ふつうの会話で「もちろんだよ」って、それほど使わない気がします。
シンプルに、
「うん、いいよ」
にしようか迷いましたが、少し言葉が弱い気がしてやめました。
でも話し言葉だったら「うん、いいよ」の方が自然な感じがするんですよね。
さいごに
「いたばし国際絵本翻訳大賞」の課題をとおして、今年も自分の力不足を感じましたが、それでも楽しい作業で、やっぱり英語も絵本も好きだと再確認できました。
来年もチャレンジします。
今回の「いたばし国際絵本翻訳大賞」にチャレンジされた方は、どんな思いで課題に取り組まれたのでしょうか。
課題を提出してホッとしましたが、気がつけばもう12月。
本格的に寒くなる前に大掃除をすませて、クリスマスツリーを飾りたいと思います。
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